今回の対談は意外な組みあわせを感じる2人の対談。
しかしそこには、プロ意識などその境地にしか達した事がない人しか分からないアドバイスと向き合い方を対談でお話ししています。
学ぶ事の多いこの回で世の中の事
いつの時代も笑いと平和。
アーティスト:レキシの背景(レキシ)
レキシが好きな場所は東京歴史博物館。
好きなもの“地層の模型”
そこには一番生活のリアルを感じるものが飾られている。
「お皿が埋まっていたり、なんか生活を感じやすい。」
人々が感じてきたリアル。ワクワク感を思い出す。その感情を思い出すためにくる。
“昔の写真も好き”
みんな笑っている。そこにもリアルに感じられる。
曲を書くときに現代の気持ちと照らしあわせるため。
「普通に“好きだよ”って歌うのはちょっと恥ずかしいけど、源頼朝が言っているって思うと全然照れくさくない。」
「歴史のフィルターを通すと面白い」
「一人一人の人間だったんだな。」
織田信長、徳川家康……
「歴史的上の人物その人に1分1秒があったんだと考えるとリアル(身近)に感じられる。」
人間がここまで来たんだ。その思いがメロディーになる。
“1万年以上前なのに世界中みんな同じ一人一人の積み重ね。その日条件が面白い。”
コラボしている人が凄すぎる。
この方がもっと生きるか、受け入れてもらえるかを意識している。
人前で喝采をもらった原体験。親戚の欠席で関白宣言を歌って拍手をもらった原体験が大きかった。
少しでも親しんで貰う為に、お笑いを「借りている」感覚。(レキシ)
親しんで貰うヒントをとても感じる。
どう相手の懐に入るかを意識している。
それは“ラフ&ピース”
曲を作る際には戦とかを全面に出さないようにしている。
大切にしている事、意識している事(レキシ)
ライブのお客さんも沢山の人という感覚はなく、一人一人が来てこの人数、一人一人の思いがある「みんな」ではなく「あたな」の集まりという感じもある。
「そこは忘れちゃいけない。」
「ちょっとでも気持ちが楽になれば、一瞬でも楽になればと思いますが。」
「大きくではなく、小ちゃくいきたい。」
悩み=自分が“レキシ”に飽きる事。(レキシ)
レキシの悩みは「新しい事にチャレンジすると疲れちゃう。」という。
それに対して三宅さんは
「喜劇を作っていてもこの笑わせ方に飽きちゃうっていう事はある。」「それを乗り越えるとまた何か見えてくるっていう事はある。」
三宅裕二は目の奥が笑っていない?(三宅)
レキシは三宅の事をこう捉えていた。
「悪い意味ではなく、常にやりながら、他の事を考えている?先の事を考えている印象がある。」
「喜劇は7割芝居を考えて3割はすべて俯瞰してみている。」
「その俯瞰してみている3割がそこにある。どこにどう見ているのか。何が起こっても対応できるようにしている。」
成功の裏にあった葛藤(三宅)
45歳はタレントなど、色々軌道に乗ってきた時期、何やっていかわからないくらい忙しかった。
→劇団の人を喰わせなければいけない、三宅裕司が忙しくなる。
→劇団がおろそかになる。
→劇団が辛くなる。
→仕事がくる。
→劇団員に不満が募る。
→ストレスがくる。
→グワーッとなる。そこまで追い込んだのは自分。
劇団に行くと「仕事が忙しくてごめんな」と言い訳を言っているのだけど、それは劇団にとっては関係ない言い訳だし、テレビやラジオに行けば劇団やっているのだろうとだから僕は大変なんですよ。
と両方に言い訳を言いながら自分を追い詰めてしまったのが45歳。
40代から50代に葛藤と抱える。
還暦は持病の腰痛で入院して仕事をキャンセル。
入院中に、なんで俺は生かされているのだろうか。と考え、そして原点に帰る。
舞台の良さは観客との一体感で盛り上がれる事。(三宅)
令和の時代に舞台まで足を運んで見に来るのか。
生で見て一つを共有する事が楽しくて素晴らしい事なんだと理解してくれるために何をすれば良いのかを考えている。
今の笑いはテレビのもの。
前振りがあってしばらくして落とすという笑がなくなってきた。
今の笑は瞬発力の笑。
司会者がその中で瞬発力で返す。
その笑いの才能がすごい。
舞台とは違う。
舞台の笑は古い笑と思われてしまう事がある。昔にあったやり方。
笑いはその時代にいきているもの、今生きている事。(三宅)
再演で昔の事をやるのは避けている。
だから今の新しい演じる笑をやっていかなきゃ行けない。
“幸福とは何か。”
引っかかる事を探す。
ブータンは幸福度世界1。日本は50位くらい。これだけ豊かな生活をしているのに幸せを感じている人が少ないという事。
それは何に不満があるのか考える。
それをテーマにするとみんな付いてきてくれるのかな。
いろんなものが便利になりすぎて求めすぎているんじゃないかな。
求めたものが手に入る幸せと言う物質欲ばかり、便利なものが出てば欲しがる。
本当は幸せなのに気がついていない。
それと逆なのは江戸時代の庶民は、貧しくても長屋の人たちはニコニコして幸せを感じていた。江戸時代の人に学ばなくては行けない。
次の世代に伝えたい事。(三宅)
残すためには、40年間培ったものを教えたい。
笑は舞台の上でしか伝えられない。稽古では伝えられない。
シーンとどーんと受けるのを肌で体験して欲しい。
その喜びを経験させたい。
セリフが言えないがそのくらいショックな体験をさせたのが嬉しい。
マンネリと言うか「同じ事をやっているな」と感じる事はないのか。(三宅)
やる人は同じだし、作家のアテ書きちょっと似てるかな。って思う事はある。
”それはしょうがない。“
役者は30〜40ステージやる。
何回もお客さんに新鮮に感じさせる演じるのがプロっていう事。
コメディはアドリブで言ったように見せる演技もある。
なんどやってもアドリブに見える。
そこまでいかないとダメって事だよね。飽きているなんて思うんじゃね。って事。
同じ事を繰り返しやっていくことの大切さ。
終わりに
芸能界の大ベテランの三宅裕二さんと、ユーモアがあって人気のあるレキシさんのトークはとても着眼点が面白く、参考になる部分はとても多かったと感じました。
ひたすら同じことをやっている中で、マンネリだと感じる事は当たり前かもしれない。
しかし、それを初々しく見せ続けて仕事をしていく事が本当のプロだと認識した今回の学びでした。
逆をいうとマンネリする位までやらないと、プロではないとも言える。
何かのプロになりたい時に参考にしてはいかがでしょうか。